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「国宝」
2025.06.24
能楽堂の余韻と、舞台への想い
六月も後半に差し掛かり、じめじめとした梅雨の空気に、時折、真夏の気配が混じるようになりました。先日、6月22日に、私が所属するモンドパラレッロ歌劇団の第八回能楽堂コラボ公演、音楽サスペンス劇『傾城青時雨捕物絵巻』が、おかげさまで無事に幕を下ろしました。
今回は、これまでの公演に比べ、芝居のパートが多く、山田かつらさんの丁寧な仕事が光るちょんまげをつけたりと、私たちにとっても、なかなか挑戦的な試みが詰まった仕上がりになったと感じています。能楽堂という厳かな空間で、新たな表現を模索する時間は、深く心に残るものとなりました。
そんな本番を迎える少し前、劇団内で話題になっていた一本の映画を観に行きました。今、注目を集めているという『国宝』。歌舞伎座と能楽堂、舞台の形は異なれど、そこに息づく日本芸能の独特な所作や、日々の稽古風景、そして、役者たちの鬼気迫る演技に、私自身、深く魅せられました。同時に、自分自身も含めた「役者」としての業(ごう)についても、深く考えさせられる時間となりました。
一言で「舞台」と言っても、本当に様々な形があります。それがどのような形であれ、望む望まないに関わらず、その中で「演じなければいけない」役者という存在。歌舞伎役者としての「血統」と「才能」に悩み、それでも舞台に魅入られ、舞台にその身を捧げていく人間たちの葛藤が、この映画では美しく、そして生々しく描き出されていました。
個人的には、五社英雄監督の作品に見られるような、もっと泥臭さや生きることへの執念といったものが前面に出ている方が好みではあるのですが、それでも、この映画の舞台上の美しさや、絢爛豪華な世界観は、一見の価値があると感じました。舞台にかける、あの鬼気迫る情熱。それを、私もこれからの表現の中で、しっかりと形にしていきたいと、改めて心に誓いました。
それにしても、映画の中の吉沢亮さんの美しさには、ただただ目を奪われましたね。横浜流星さんも、また違う魅力で、その存在感を放っていました。
舞台という場を通して、人は何を表現し、何を伝えることができるのか。今回の能楽堂公演と、一本の映画から、改めてその奥深さに触れることができた、実り多き時間でした。
日常のなかに、静かに流れる音楽と時間
中尾建設工業株式会社1Fショールームにある「Caféすまいる」は、地域の方々がそれぞれの時間を過ごせる、穏やかな場所です。ここでは、社会福祉法人JHC板橋会との連携を通して、誰もが心安らぐ空間が日々育まれています。
静かに本を読んだり、隣人とささやかな会話を交わしたり、あるいはショールームの落ち着いた空間に身を置いたり。そしてこの場所では、月に一度、第3または第4火曜日になると、そっと歌声が響く日があります。それは、まるで日常に溶け込むような、心に触れる音楽の調べ。
次回、7月15日には、一緒に歌おう!歌声喫茶-2025夏-という催しがあります。
同様や唱歌、また夏にはやったあんな歌こんな歌をフルート三重奏とオペラ歌手によるガイドでお送りする企画。第3弾。
皆様の歌声が響くことを心から楽しみにしています。
地域の皆様に愛される場所として、中尾建設工業株式会社ショールームがこれからも、皆様の日常にそっと寄り添い続けることを願っています。