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落語の真打襲名披露に行った話
2025.05.23
音楽と笑いの交差点で、表現の深淵に触れる
五月も下旬に差し掛かり、日差しはすっかり夏の力を帯びてきました。木々の緑も一層濃さを増し、生命の輝きを感じる季節です。先日、私たちのショールームで開催された「もーちゃんのSORA色オペラハウスRe:4」では、多くの方々にお越しいただき、心温まる時間を共有できましたこと、深く感謝申し上げます。こうして地域の方々に見守られながら音楽の場を設けられることは、本当に得難い喜びでございます。
さて、そんな音楽の日々を送る中で、実は先日、私にとって初めての体験をしてまいりました。何を隠そう、人生で初めて「寄席」というものに足を踏み入れたのです。「落語オペラなんてものをライフワークにしているのに、寄席にも行ったことがなかったの?」と、もし聞かれれば、お叱りを受けても仕方ないのですが、恥ずかしながら、寄席で生のお噺を拝見したのは初めての経験でございました。
訪れたのは、浅草演芸ホール。この日は、新真打の昇進披露興行という、まさに晴れやかな舞台でした。朝から夕方までの長丁場にもかかわらず、あっという間に時間が過ぎていく。テレビでもお馴染みの大物師匠方が勢揃いし、客席は笑い声が途切れることなく、まさに贅沢なひとときでした。
この度、晴れて真打に昇進された春風亭鯉づむ師匠、瀧川鯉丸師匠、そして立川幸之進師匠には、心からお祝いを申し上げたい気持ちでいっぱいです。そして、協会長の春風亭昇太師匠をはじめ、ベテラン芸人さんたちの芸の凄さには、ただただ感動するばかりでした。そこには大声も派手なパフォーマンスもありません。ただ「間」と「表情」だけで、観客の感情を自在に操るその姿は、まさに至芸と呼ぶにふさわしいものでした。
「落語オペラ」を自身のライフワークと捉えている身としては、本物の話芸を目の当たりにして、改めて身の引き締まる思いでした。日々、コツコツと積み重ねることの大切さ、そして、どのような状況でも揺らがない表現力を磨き続けることの尊さを、改めて胸に刻みました。
個人的な今日のMVPは、断然、トリを務められた瀧川鯉丸師匠の「池田大助」でした。「何かを買ってくれる母と、小言ばかりの父、どちらが好きか?」という問いに、少年・大助が饅頭を割って「それはこの割った饅頭のどちらが美味しいか?ということでございますか?」と返すシーン。あの瞬間の、少年ならではの純粋さに、わが子を思い、思わず目頭が熱くなりました(私だけでしょうか?)。
昇太師匠の「落語にはまともな人は出てこない。だって、まともな人のまともな話なんてされてもみんな困るでしょ?」という言葉にも、ハッとさせられました。確かに、ままならない世の中だからこそ、私たちはこうして落語を聴いて笑い、時に泣き、そして「ろくでもない自分でも、人の中で生きている」と感じられるのかもしれません。
音楽に触れ、そして今回、話芸の深淵に触れたことで、表現することの奥深さを改めて感じています。どちらも、人の心に寄り添い、喜びや安らぎをもたらすもの。これからも、様々な表現に耳を傾け、自らの道を歩んでいきたいと、心新たに思う今日この頃です。
日常のなかに、静かに流れる音楽と時間
中尾建設工業株式会社1Fショールームにある「Caféすまいる」は、地域の方々がそれぞれの時間を過ごせる、穏やかな場所です。ここでは、社会福祉法人JHC板橋会との連携を通して、誰もが心安らぐ空間が日々育まれています。
静かに本を読んだり、隣人とささやかな会話を交わしたり、あるいはショールームの落ち着いた空間に身を置いたり。そしてこの場所では、月に一度、第3または第4火曜日になると、そっと歌声が響く日があります。それは、まるで日常に溶け込むような、心に触れる音楽の調べ。
次回、6月17日には、「もーちゃんのSORA色オペラハウスRe:5 『雨と花嫁』」という催しがあります。
イタリアのことわざ「Sposa Bagnata,Sposa Felice(ずぶ濡れの花嫁は幸せになる)」というイメージをほうふつとさせる素敵な時間を一緒に過ごせたら幸せですね。
地域の皆様に愛される場所として、中尾建設工業株式会社ショールームがこれからも、皆様の日常にそっと寄り添い続けることを願っています。